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グリーン成長戦略の要、蓄電池が抱える課題

 

電気自動車の充電している写真

先日から二酸化炭素の排出量ゼロを目指すカーボンニュートラルが話題になってきていますよね。二酸化炭素はご存じの方も多いでしょうが、化石燃料を燃やすことで発生し、地球温暖化の原因となります。

 

アメリカのバイデン大統領や中国の習国家主席もカーボンニュートラルを目指すと宣言をしていますが、先日、日本もカーボンニュートラルに用いる技術の開発を促進するためにグリーン成長戦略を打ち出しました。

 

 グリーン成長戦略の解説は下記を読んで下さい↓↓↓ 

torotoroupaupa.hatenablog.com

この記事では、グリーン成長戦略の鍵となる下記で示した3つの技術のうち、「蓄電池を含む送電インフラ」について、お話ししていきます。

  1. 水素
  2. 再生可能エネルギー
  3. 蓄電池を含む送電インフラ

この「蓄電池を含む送電インフラ」では、どのような課題があるか解説していますので、最後まで読んでいただければと思います。

 

蓄電池とは?送電インフラとは?

そもそも蓄電池って何なの?送電インフラってどれのこと?って疑問に思われる方がいると思います。まずはその辺を解説しましょう。

 

蓄電池とは

「電池」の中では、乾電池が分かりやすいと思います。テレビのリモコンとかワイヤレスマウスとかに使っていますよね。この乾電池を使うと、それらの機器に電気を与えて動かせます。この乾電池の難点として、一回使い切ってしまうと二度と使えないことです。

 

一方、蓄電池は、この難点を解決しており、充電することで何回も使えます。皆さんの身近な例としては、スマホが分かりやすいのではないでしょうか。また、現在、この蓄電池を住宅の中に設置されることが多いです。この蓄電池のおかげで、お昼に太陽電池で発電した電気で蓄電池に充電し、夜に使えるようになります。その結果、太陽電池で発電する電気だけで生活できる住宅になりました。これをZEH(ゼロエネルギー住宅)と言います。

 

送電インフラとは

送電インフラは、乱暴に言うと電線です。送電インフラは、電気を車、電線を道路とをイメージしてもらえると分かりやすいです。狭い道路にたくさんの車があつまると、じゅうたいしてしまいますよね。そうならないように、交通量が多い場所は道幅を広げたり、バイパス道路を新しく作ったりします。電線も同じで、たくさんの電気を流すためには太い電線にする必要があります。

 

送電インフラが抱える課題

太陽電池パネルの写真
再生可能エネルギーを使う上で送電インフラが抱える一番の課題は、電気の需要量と供給量がイコールになりにくいことでしょう。

 

再生可能エネルギーは、自然任せで発電量が決まるので、供給量が不安定になります。例えば、太陽電池は天気が良い昼はたくさん発電しますが、雨の日や夜はほとんど発電しなくなります。現在は、再生可能エネルギーの増減の調整を火力発電で行っていますが、再生可能エネルギーがメインになった場合、その手法が使えなくなります。

 

では、その対策はどうするのでしょうか。答えの一つしかなく、再生可能エネルギーが多く発電したときは電気を蓄え、少ないときは蓄えから放出するシステムを作ることです。このシステムに「蓄電池」が必要となります。

 

蓄電池の課題

再生可能エネルギーの電気を蓄える蓄電池として、今、考えられているのは「リチウムイオン電池」です。リチウムイオン電池を使われている場所としては、スマホやノートパソコンが有名でしょう。

 

実は、このリチウムイオン電池は、すでに住宅に設置されたり、電気自動車と接続して太陽光で発電した電気を充電したりしています。しかし、このリチウムイオン電池を再生可能エネルギー用の蓄電池として使う場合、次の3つの課題があります。

  • 安全性の向上
  • 高容量化(軽量化)
  • コスト

安全性

まず、リチウムイオン電池の一番、大きな課題は安全性です。

 

電気自動車に積まれているようなリチウムイオン電池はとても大きなエネルギーを蓄えており、発火してしまうと大きな火災になってしまします。(なお、危険なのはガソリン車も同じですけどね。どっちがより危ないかは状況によります。)

 

この点は、モバイルバッテリーやスマホがしばしば発火事故があり、ニュースになっていることからも危険性は想像付きやすいと思います。

 

モバイルバッテリーの電池容量が11.1Wh(=3Ah×3.7V)なのですが、電気自動車に使用しているリチウムイオン電池の容量は、最新の日産リーフが40kWh(=40,000Wh)もあります。つまり、電気自動車のリチウムイオン電池に蓄えられているエネルギー量は3,600倍にもなります。

 

高容量化(小型化)

ふたつ目のリチウムイオン電池の課題は、高容量化です。

 

例えば、電気自動車だと車体の大きさが決まっているために、車に載せられる電池の大きさは必然的に決まってしまいます。そのため、一回の充電で少しでも長い距離を走るためにはその決まったサイズの蓄電池にたくさんの電気を蓄えられるようにしなければなりません。つまり、高容量化が必要になります。

 

今、電池メーカー各社は、この高容量化を争っているところです。参考までに高容量化して電池の大きさが小さくなれば、同時に軽量化もできてしまいます。

 

また、再生可能エネルギーの蓄電池としても、電気自動車のケースと同様のことがいえます。やはり、夜や天気の悪いときに使用するような大量のエネルギーを蓄えるためには広大なスペースが必要になります。

 

しかし、日本の国土は小さく、蓄電池をおけるスペースは無限大にあるわけでもないので、少しでも蓄電池を置く場所を少なくしたいですよね。そのために、リチウムイオン電池の小型化は必須です。

 

コスト

 三つ目はコストです。言わなくてもわかりますね。安くないと普及しません。また、大量の蓄電池を用意する必要があるので、とことんリチウムイオン電池のコストを安くしないと電気料金が跳ね上がってしまいます。

 

送電インフラが抱える課題

再生可能エネルギーを用いる際にもう一つ大きな課題があり、送電インフラ持つ課題です。送電インフラは、発電所から各家庭まで電気を届けてくれる電線などのことを言います。

 

この送電インフラが持つ課題は、電気は電線を通る距離が長くなるほど、損失が大きくなることです。一般に発電所で発電した電気が家庭まで来ると、4.2%(参照:九州電力)の電気が無くなっています。

 

再生可能エネルギーは通常、田舎で発電することなるでしょう。電気をたくさん使う都市部から離れた田舎で作るために電線の距離が長くなります。そのため、今までの主力の発電所は都市部の近くに作られた火力発電所だったので4.2%のロスでしたが、再生可能エネルギーに変えることでロスが大きく増えてしまいます。

 

このロスを減らす技術としては、ここでは詳しく説明しませんが、

  • 超伝導の電線(電気抵抗が小さくなり、電線を通るときの損失が少なくなる)
  • 交流送電を直流送電に変更

が挙げられます。

 

まとめ

蓄電池を含む送電インフラについて、解説してきました。他の2つの技術と比べて、送電インフラが持つ課題は、まだ力業で解決できます。

 

ただ、送電インフラの鍵であるリチウムイオン電池は、課題が多い状況です。また、リチウムイオン電池は、日本初の技術であり、2000年初頭には圧倒的に優勢だったのですが、すでに韓国や中国との競争で劣勢に立っている状況です。グリーン成長戦略がうまくはまり、なんとか挽回してほしいものです。