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雪害により電力需給がひっ迫!この状態で本当にカーボンニュートラルできる?

豪雪

今日は、広い範囲で雪が降りましたね。みなさんの地域では、雪による被害はありませんでしたか?関東地方でも雪による被害が出ているようで、これ以上ひどくならないことを祈るばかりです。

 

さて、この雪害では、電力需要が話題となっており、関西電力で電力需要ひっ迫していて、大規模停電する可能性が高くなっています。(ニュースによると、本日、使用率が99%に達したとのこと)

 

このニュースを見て、再生可能エネルギーに強く関心を持っている私が考えたのは、再生可能エネルギーが主力電力源となったときに同様の状況におかれたら、どのような影響が出たのだろうかです。

 

この記事では、私なりに考えてみたことをお伝えしていこうと思います。なお、結論を端的に言うと、今の脆弱な再生可能エネルギーによる電極供給体制では、確実に被害甚大だったでしょう。カーボンニュートラルを行う上で大きな課題ですね。

電力需要がひっ迫するとどうなる?

答えは、使用量が100%を超えた瞬間、すぐに停電までは起きませんが、「電気の質」が悪くなってしまいます。ただ、いきなり電気の質って言われても、なんなのか分かりませんし、どんな影響が出るというのでしょうか。

 

まず、電気の質は、電圧と周波数などで評価され、この電圧と周波数が要求された範囲で一定の状態であれば、電気の質が良いと言えます。

 

仮に電気の質が悪くなると、電圧の低下や周波数の乱れが発生し、家電が動かなることや工場の装置が止まってしまいます。

 

なお、あくまで、「使用量が100%を超えた瞬間に停電にはつながるわけではない」だけで停電しないわけではありません。場合によっては、2018年10月に発生した北海道胆振東部地震による北海道がおこったような大停電(ブラックアウト)が起こる可能性があります。

 

そのなると、ただで寒い冬に暖房なしで過ごさないといけないと思うと、怖いですよね。なので、今回のように電力需要がひっ迫している場合、このような大停電を起こさないためにも皆さん、不要な電気を消すなど少しでも節電に協力しましょう。

 

そもそも今回、なぜひっ迫しているの?

今回の電力需要のひっ迫の原因は、次の3つです。

  • 設備の故障が重なった
  • 電力事業者の燃料調達の失敗
  • 雪により太陽光発電ができない

それぞれを見ていきましょう。

 

設備の故障が重なった

設備が故障が続いた件については、過去の事例と比べると分かりやすいです。

 

先ほどは北海道の地震で起こったブラックアウトを紹介しましたが、電力需給がひっ迫したという事例はすでにみなさんもよく知っている例があります。それは、2018年の夏です。このときも猛暑によりエアコンなどを使うことが増えたために電力需給がひっ迫しました。

www.sankei.com

 

ちなみにこ2017年の夏の関電の供給可能電力は、2,915万キロワットでした。一方で、今年の冬は、関電の供給可能電力は2,628万kWしかありません。

 

比べてみると明らかですが、2018年の夏と比べて今年の冬の供給可能電力が1割以上減っています。つまり、設備自体が稼働できていないために電力需要がひっ迫しているわけです。

 

具体的に設備が止まっている理由は、次の3つです。

  • 原子力発電所が定期点検で停止
  • 水力発電が渇水のため、稼働率低下
  • 火力発電が不具合で停止

つまり、寒くなった影響で、消費電力が暖房の使用が増えたのも原因の一つですが、どちらかというと発電量が確保できていないのが主な原因です。

 

燃料の確保の失敗

今年の冬は、予想以上に厳冬だったことと新型コロナの影響で正確に需要を予測できなかったことから、燃料となる天然ガスを必要量を輸入できませんでした。その結果、火力発電の能力もフルにできていない状況のようです。

 

なお、この確保失敗は専門家の中には、電力自由化が原因と言っている人もおられます。どういうことがというと、今までは電力会社は地域独占だったので、自分の地域の需要の予想を正確にできました。

 

しかし、ここ数年で広がった電力自由化により、各電力会社は地域独占とはいえなくなりました。そのため、電力需要の予測がしにくくなり、今回、見積もりを過ってしまったと言うことだそうです。

 

太陽光発電ができない

太陽光パネルが雪で覆われてしまうと、太陽光が届かないので発電できなくなります。今回、多くの地域で雪がたくさん降ったために日本全体で太陽光発電ができず、供給電力が減ってしまいました。

 

カーボンニュートラルの社会ではどうなるの?

一言で説明できます。カーボンニュートラルの社会でこの雪害が起こると、現状の技術の延長ならば、発電量が確保できずにブラックアウトしたでしょう。

 

なぜ、ブラックアウトしたと言えるか?

今回の原因でも挙げていますが、カーボンニュートラル時代に使われる再生可能エネルギーの主力である太陽光発電は、雪が降っている天気はそもそも発電しないためです。

 

また、その対策のために電気を蓄えておかなかればなりませんが、今回のように数週間単位で天気が悪いときに備えて、莫大な蓄電池を用意することもなかなか難しいでしょう。

 

対策はどうすべきか?

今回の雪害による電力需要のひっ迫は、これらの課題を我々に提起してくれたことが重要な点だと私は感じます。カーボンニュートラル社会になるまであと30年しかないので、早々に解決策を考え出す必要があります。

 

現在、私が考えられるのは次の3つです。一つ目はAIや5G(2050年になると、7Gとか8Gとかになっているのかも?)で、正確な天気予報電力需給の予測で管理する。二つ目は余剰の再生可能エネルギーで発電した電力で化石燃料と同等の物質に変換し、足りないときは火力発電で燃やす。三つ目は、蓄電池量を大量に用意する。

 

ここは、電気自動車の社会を実現する上で、技術革新のポイントだと思います。世間では、電気自動車自体を注目していますが、その電気をどのように安定的にクリーンに作るかは、まだ解決できていません。日本企業にとって、チャンスの領域だと思います。ぜひ解決先を日本発で生み出した欲しいです。

 

まとめ

カーボンニュートラルの社会は、まだまだ課題だらけです。ただ、言い換えると、ビジネスチャンスがいっぱい眠っているので、日本企業には積極的に課題に取り組んで欲しいと思います。(私もニートになるまでは、頑張ります!)