サラリーマン研究者による、昇進・昇格試験突破の道

一度、昇進試験で挫折を味わったサラリーマン研究者が身に付けた昇進試験の攻略法を紹介するブログです!

昇進・昇格試験で行われるインバスケット演習とは?高評価を得る回答の書き方のコツとともに解説

インバスケット演習の攻略のコツ

管理職の昇進・昇格試験で実施される人材アセスメントのなかで、多くの人がインバスケット演習に苦労しているのではないでしょうか。

 

これは、インバスケット演習が多くの資格試験や大学受験などで実施されているペーパーテストと違って、明確な正解がありません。つまり、正解がないので、暗記のような対策できず、どのような対策すればよいか分からずに困っているのが実情です。

 

そのような方のために今回、この記事では、インバスケット演習を攻略するコツを紹介していきます。

なお、昇進試験ってどんなことをするのか分からない、アセスメントって何という方は、以下の記事で解説しているので、先に読んでもらえると理解が深まると思います。torotoroupaupa.hatenablog.com

torotoroupaupa.hatenablog.com

インバスケット演習って何?

インバスケット演習を一言で説明すると、架空の人物になりきって、その人物が抱えているたくさんの課題を制限時間内に処理するビジネスシミュレーションです。

 

これだけだと何をする試験なのかわからないと思いますので、もう少し具体的に説明しましょう。まず、「インバスケット」は、会社で働いた経験がある人なら分かると思いますが、偉い人の前に置いてある未処理の書類(はんこが押されていない書類)が収められた箱のことです。

 

偉い人は、その未処理の箱に入った書類を読んで内容を理解し、どうするかを判断し、部下などに指示を出したり、はんこを押して処理済みの箱に入れたりしています。インバスケット演習は、まさにこの偉い人の立場になって、未処理の箱に入った課題を順次処理していく試験ということです。ようは管理職の立場になって上司や部下、取引先あるいは顧客などから来る仕事の依頼やクレーム、要望などを処理していくロールプレイングゲームです。

 

なお、インバスケット演習に興味を持ち、もっと知りたい方と思った方、次の本が導入本にはおすすめですので、ぜひ参考にしてみて下さい。

インバスケット演習の概要

インバスケット演習で設定される時間は、出される課題の数(今後は案件数とします)によって変わり、60分~180分です。管理職の昇進試験で行われる場合、20~25案件で120分の設定が多いです。

 

また、インバスケット演習は、マークシート方式と記述式があります。管理職の昇進試験では、記述式で行われることが多いために以下の内容は、記述式を念頭に置いて解説していきます。

 

インバスケット演習で最初に配られるもの

インバスケット試験を開始する前に封筒が配られます。封筒の中には次の書類が入っています。

  • 状況説明シート
  • 案件シート
  • 解答用紙
  • 回答方法の説明書

このうち、状況シートは、以下の内容が書かれています。

  • インバスケット演習でどんな人物を演じるのか
  • 所属している会社の状況はどんなものか(経営方針、決算情報、歴史、所属業界の状況など)
  • 自身が演じる人物の組織図

封筒を受け取ったら、落ち着いて中身の確認を行い、落丁がないかを確認しましょう。

 

案件の量と回答時の注意

スタートの声がかかると、そのあとは基本一人で案件に向き合う時間となります。案件の回答については、ほとんどの人が演習時間中にすべての問題に回答できない量が与えられます。そのため、すべての案件に回答できなかったとしても、ショックを受ける必要はありません。

 

なお、この案件のなかには、あきらかに設定がおかしい点や背景が分からないことが出てきます。試験官に聞きたい思いは理解しますが、案件自体に関する質問は、基本、試験官は回答してくれません。その演習の中の人物になりきって、どう対処するか自身で考えて答えていきましょう。

 

インバスケット演習の評価項目とは

昇進試験内で実施されるインバスケット演習は、通常、人材アセスメントの一科目として、行われます。人材アセスメントでの評価項目は、あなたの所属企業が管理職として必要としている能力が何かより定められますが、多くの企業において、以下の項目で定められます。

  • バイタリティ(主体性)
  • リーダーシップ
  • マネージメントコントロール
  • 判断力
  • 情報収集力・把握能力
  • 問題分析力
  • 創造力
  • 計画組織力
  • 実行計画力
  • コミュニケーション能力

それぞれがどのような観点で評価されるか、以下で説明してきます。

 

1.バイタリティ(主体性)

バイタリティ(主体性)では、自身の組織内外で生じた問題に対し、あなたが当事者として、主体的に行動しているかどうかが評価ポイントです。たとえば、インバスケット内で生じている問題を自身で処理せずに上司や部下などに対応をすべて任せてしまうことを頻繁に実施していれば、低い評価となります。

 

2.リーダーシップ

リーダーシップは、自身が任されている組織がどこに向かえばよいかを示し、その方向に組織を主導していく能力です。先に示したバイタリティ(主体性)と一見、似ていますが、影響を及ぼす対象が違います。バイタリティ(主体性)が及ぼす影響の対象はあなた自身であり、あなたが当事者として主体的に行ったことが評価されますが、リーダーシップが及ぼす影響の対象は組織です。

 

3.マネージメントコントロール

マネージメントコントロールは、組織で定めた方針や実施計画、規則に従い、組織を動かす能力です。いわゆる、組織の管理能力といえます。具体的には、次のような行動が評価されます。

 

インバスケット演習では、あなたの上司から何かしらの方針や指示が与えられており、あなたが抱えている案件はその方針や指示に従って、どう処理するか判断しなければなりません。さらに、部下が会社の方針や規則から外れている行動をしている場合は、部下に対してなぜだめなのかの理由とともにその行動をやめるように戒めなければなりません。加えて、インバスケット演習であなたが定めた実施計画どおりに進んでいるか、あなたが与えた指示を部下に対して、報連相する場を設けることもマネージコントロールの項目で評価されます。

 

4.判断力

判断力は、案件をどう処理するのかを判断できるか、あなたが下した判断を指示する人に論理的に説明できるかを評価します。インバスケット演習では、短時間でたくさんの案件に回答しなければならず、問題文に書かれている情報も不足していることから、判断に迷うことも多いです。しかし、高い評価を得るためには手際よく判断する必要があります。

 

なお、インバスケット演習では、実際の業務と同じく、上司や部下にどう問題に対処するかの判断を任せてもよいのですが、あまりに任せきりにすると、「判断力」は低く評価にされますので、なるべく自身で対処するようにしましょう。

 

5.情報収集力・情報把握能力

多数の案件を処理することをインバスケット演習では要求されていることから、与えられる情報量も膨大です。また、試験時間も多数の案件を処理するには十分でない時間しか与えられていません。そのため、膨大な情報から回答するのに必要となるものだけを正確に読み取って、その情報を適切に活用する必要があります。

 

6.問題分析力

問題分析力は、問題点を見つけ出し、必要となる情報を効率的に収集して問題解決に導く能力のことです。なお、問題分析力で必要とされる情報収集能力はあなたが立てた仮説を証明するために能動的に情報を集める能力であり、さきほど説明した情報収集力・情報把握能力は問題文に書かれた情報を受け身で処理する能力であり、受け身か能動的かで異なっています。

 

7.創造力

創造力は、相手からの提案や慣例に縛られず、自らアイディアを生み出す能力です。独自な提案を出すことで評価されます。また、インバスケット演習では、複数の案件が関係しあっており、関連した案件をまとめて処理することでも評価されます。

 

8.計画組織力

計画組織力は、あなたが持つ経営資源(人、モノ、カネ)を有効に使い、効率的に組織を運営する能力のことです。限られている経営資源をどのように割り振って、できるだけ多くの成果を挙げられるかを見られます。たとえば、あなたが役割を与えた人が適任者だったかが採点対象となります。

 

9.実行計画力

実行計画力は、発生している問題やあなたが指示したことをどのようにいつまでに対応完了するのかを計画に落とし込む能力のことです。インバスケット演習では、処理するように与えられた案件が多すぎるので、あなたの組織が持つ経営資源だけで一気に処理することは不可能なので、優先順位付けして処理しなければなりませんが、その優先順位付けも実行計画力として評価されます。

 

10.コミュニケーション能力

コミュニケーション能力は、あなたの考えを他人に伝える能力です。加えて、他社の意見に対する受容性(寛容性)もここで評価されます。なお、受容性や寛容性は、インバスケットの案件の中に部下から提案されることがあり、部下の提案を受け入れることで評価されます。だだし、部下の提案をすべて受け入れていくと、先に示したバイタリティやリーダーシップの点で低い評価につながりますので、適度にしましょう。

 

また、部下に対するねぎらいや励ましなどもコミュニケーション能力での評価ポイントです。具体的には、以下があげられます。

  • 部下に感謝の気持ちを伝えること
  • 部下があげた成果をほめること
  • 失敗した部下を励ますこと
  • 部下を教育する目的でコメントすること
  • 部下に意見を求めること

 

インバスケット演習の試験時間中に面接演習が組み込まれることも

なお、昇進試験で行われる人材アセスメントでは、インバスケット試験と並行して面接演習(準備も含めて20分程度)が行われるケースが多いです。つまり、ペーパーテストを回答中に他の試験にかり出されるので、集中力の途切れやすく、気持ちのすばやい切り替えが必要になります。さらに難しくなります。

 

人材アセスメント試験で行う面接演習がどのような試験なのかは以下の記事で解説しています。torotoroupaupa.hatenablog.com

攻略するコツは案件の内容把握と整理

それでは、インバスケット演習を攻略するコツについて、解析していきましょう。攻略するコツは簡単で、案件すべてを中身をしっかり把握して整理することです。

 

どういう状況で何が問題で、どうするのかを問われている試験だから案件すべてを把握すればインバスケット試験にクリアできるのは当たり前ですよね。例えば、事前に案件のことをよく知っていて、案件を説明する問題文を読んでいるときに解決策が頭に浮かぶになっていれば、そんなに苦しむ必要はありません。当たり前です。

 

もちろん、その状況になることが難しく、みなさんはそれで困っているはずです。そんな方に攻略のコツとなる対策を教えましょう。

 

その対策は次の3つを意識して問題文を読むことです。これで案件を把握する力がぐっと上がります。

  1. 最初に全案件に目を通す
  2. 問題処理するときのプロセスを意識する
  3. 処理する優先順位付けを最初にする
  4. 案件で相互に関係するものを探す

それでは、それぞれを見ていきましょう。

 

最初に全部の案件に目を通す

インバスケット演習が始まってまず行うことは全案件に目を通すことです。インバスケット演習では、後ほど説明しますが、それぞれの案件が相互に関連しているケースがあるので、1問ずつ、順番に回答してしまうと、回答を書き直す羽目になります。また、相互に関連している内容を見つけ出してその関連性を活かして回答することも評価されますので、1問ずつ解いていくと高い評価は得られません。

 

また、インバスケット演習は短時間にたくさんの案件を処理しなければならない性質の試験なので、すべての案件を処理できない可能性があります。仮に最後の案件が最も重要な案件だった場合、1問ずつ順番に回答していたら、最後まで行きつかなかったために回答できず、評価を大きく落とす結果になります。そのような事態を避けるためにも最初にすべての案件を読み、重要な案件がどれかを把握するようにしましょう。

 

なお、案件を読みこむときは案件に書かれた内容を要約してまとめたり、回答する際に気を付ける点や関連した案件がどれなのかを書き留めておいたりしておくと、この後に説明する優先順位付けするときや回答を考えるときに役に立ちます。

 

問題処理するときのプロセスを意識する

問題処理するプロセスを意識して案件を読みましょう。これは、普段の仕事でも同じ話で、ビジネスマンであれば普段から意識せずにやっていることです。

 

インバスケット演習にて、案件を処理するときのプロセスとして意識して欲しいチェックポイントを下記にまとめてみました。

  1. 問題発見:何が問題か
  2. 問題分析:どうして生じたのか、それはどのような情報から判断したか
  3. 対策立案:どのように対策するのか
  4. 関連付け:他の案件に関連していないか
  5. 意思決定:どう判断するか
  6. 優先順位:どれから始めるか
  7. 計画組織:どの組織や部署と連携するか

この点を念頭に置いておけば、案件の把握とともにどんな回答を作るべきか明確になります。このなかで、特に関連付けと優先順位把握は重要です。

 

インバスケット演習では、処理する優先順位を付けよう

普段、行っている仕事でも同じく、インバスケット演習の基本の「基」なのですが、どの仕事から手を付けるべきか優先順位を付けましょう。

 

では、優先順位はどうすればつければよいのでしょうか。答えは、優先順位重要度と緊急度の2つの軸から判断するです。

 

重要度と緊急度とは

重要度は、その案件がもつリスクと影響力のことです。もし案件を適切に処理できなかったときに被る損害の大きさが基準となります。例えば、自分の会社で作った商品に不良品が見つかり消費者がケガをする可能性が高い場合は、リスクが大きく、会社全体に被害が出るので、重要度が高いです。一方で、部署の忘年会をどこで開催するかどうかは、大して重要ではありません

 

緊急度は、解決するまでの締め切りまでの時間です。当然、締め切りが近いものが緊急度が高いことになります。

 

使うと便利なマトリックスを紹介

重要度と緊急度の軸で判断する際に使うと良いのは、下記のマトリックスです。このマトリックスにそれぞれの案件を読んで、マトリックスに記入していくとよいです。

インバスケット演習で使うマトリックス


このマトリックスでは、4つの区分に分けられます。

  1. 第1象限:重要度高い×緊急度高い
  2. 第2象限:重要度高い×緊急度低い
  3. 第3象限:重要度低い×緊急度高い
  4. 第4象限:重要度低い×緊急度低い

インバスケット演習では、通常の業務とは異なり、緊急度よりも重要度を重要視されることが多いです。そのため、このマトリックスを元に優先順位を付けると、第1象限を最初に処理し、次に第2象限、その次に第3象限、最後に時間があれば第4象限となります。演習では、この優先順位に従い、処理をしていきましょう。

 

マトリックスの使い方の事例

重要度と緊急度の設定するレベルが分からないから、どの象限に入れるか迷いますよね。そんな方のために、案件の事例を記入したマトリックスを紹介します。

インバスケット演習で使うマトリックスの事例(案件をどう振り分けるか)

 

案件同士で相互に関係するものを探す

インバスケット演習で案件を読んでいる際に、相互に関係しているものが見つかります。この案件同士の関係性を見つけられば、分析力や問題を発見する力があることを示せます。

 

事例で出すと、以下のような場合は関連している可能性があると言えます。

 

【事例1】

・案件1:AさんからBさんがパワハラを受けているとの報告

・案件2:Bさんがうつ病のため、長期療養したいとの連絡あり

 

これは、Bさんがパワハラを受けたことが原因で、精神的に参ってしまったと推測できますよね。このように多くの案件の中から関連性をあるものを探すようにしましょう。 

 

なお、上記では直接関係していることがすぐにわかるものでしたが、関連しているとは思えないものでも、結びつけることによって案件処理がはかどるケースもあります。ま特に、インバスケット演習では、制限時間で多くの案件を処理しないといけないことから、複数の案件をまとめて回答すれば、回答にかける手間が減らせます。

 

【事例2】

案件3:A社から1万個の商品Cの注文あり。至急対応のこと

案件4:工場のライントラブルにより、商品Cの生産ストップ。普及の時期は不明。

案件5:B社から注文を受けていた1万個の商品がキャンセルとなった。
    キャンセルの穴埋めが必要

 

このような場合、案件3と5を見て、案件5でキャンセルになった商品を案件3に回すように指示するようにまとめて回答するとよいでしょう。なお、もちろん、案件4にあるとおり、工場での生産がストップになっているために、案件3で求められている納品は対応できないとの回答は間違いではありません。ただ、どちらの回答が会社にとって良いかは、明らかですよね。

 

インバスケット演習でどうすれば高評価になるのか

ここまではインバスケット演習の概要や攻略のコツを説明してきましたが、多くの人はではどうすれば高い評価を得られるのかを知りたいと考えていると思います。

 

当然、インバスケット演習も試験の一種なので、高評価を得るためのコツがあります。以下で4つのポイントを示していますので、ぜひ熟読していただき、試験対策に臨んでください。

  • できるだけたくさんの案件を処理する
  • 回答内に多くのアクションを詰め込む
  • 問題の根源を断つ
  • 自ら判断を下す

 

できるだけたくさんの案件を処理する

インバスケット演習を解説した本の中には、案件をどれだけ処理したかは評価とは関係ないと記載している本がありますが、基本はできるだけたくさんの案件を処理したほうが高得点につながります。これは次の二つの理由からです。

  • たくさんの案件に回答することで採点されるアクション数が多くなる
  • 多くの案件を処理できる能力があることを示している

当たり前ですが、最も評価が高くなりやすいのはすべての案件を回答することなので、全件回答を達成すべく試験対策をしていきましょう。

 

なお、繰り返しになりますが、インバスケット演習は短い時間で多くの案件を処理しなければなりません。一例を示すと、試験時間が2時間の場合、20~25件の案件が与えられます。すでに問題集に取り組んだ経験がある方はわかると思いますが、すべての案件に回答するのは、時間が足りないためになかなか難しいです。

 

しかし、問題の回答時間は、試験対策を地道に行うことで短縮可能です。問題集を何度も繰り返して解くことにより案件の読み取るコツを身につけ、回答の書き方をパターンすることができます。頑張った分だけ必ず力が付きますので、本番まで試験対策に取り組んでいきましょう。

 

回答内に多くのアクションを詰め込む

インバスケット演習の採点は、回答内に書かれたアクションがどのようなものかを読み込み、採点します。つまり、あなたが書いたアクション数が多いほど、得点できる機会が増えるので、インバスケット演習で得点を稼ぎやすくなります。ここで試験官に評価されるアクションとは主に以下のものが該当します。

  • 判断する(提案に関して、承認や否決、条件付き承認などの判断をする)
  • あなたが考えたアイディアや代替案の提案する
  • 情報収集を指示する
  • 利害関係者に対して報告・連絡・相談(報連相)をする
  • 事後報告を指示する(打ち合わせの設定を指示して報告を受ける場を設ける)
  • 権限移譲するあるいは部下に配慮する(叱咤激励やねぎらい、教育的配慮など)
  • 他の案件と関連性を指摘する
  • トラブルの原因調査や再発予防策を指示する
  • その他(部下に報連相の相手を増やすなどを指示する)

 

あなたは上記に挙げたアクションをなるべく回答に多く詰め込むように意識して下さい

 

問題の根源を断つ

インバスケット演習に書かれている問題は、目に見えた表面的なものだけとは限りません。すでに顕在化している問題の対処はだれでもできます。組織の長としては、誰も気づいていない問題を見つけ出して解決に導くことや今後、問題となる原因を事前につぶすことを会社は求めています。つまり、高い評価を得るためには、まだ表面化していない問題を探し出し、同じ問題を再発しないように問題の根源を断つために必要となる行動を指示しましょう

 

一例を挙げましょう。あなたは営業部の課長の役割を演じているものとします。部下より、顧客先から納入された商品に不良品があったとのクレームを受け取ったと報告を受けました。部下が調べたところ、どうやら運搬時か納入の受け渡し時にトラブルがあって、納品した商品が故障したとのことです。

 

この案件の回答としては、納品された不良品を回収し、新しい商品に交換することや相手に不良品を納品したことを謝りに行くように部下に指示することがあげられます。回答としては、これで問題ありません。しかし、管理職の立場であれば単にクレーム処理するだけでは不十分なので、問題の原因を見つけ出して再発しないように指示しましょう。この指示を行うことにより、問題が再度発生することを事前に防いだとみなされ、組織の効率化につながることから、評価が高くなります。

 

自ら判断を下す

インバスケット演習では、先に示した評価項目で挙げた判断力やバイタリティで少し述べていますが、なるべく自らがどうするべきか、判断しましょう。また、インバスケットでは、誰に指示するかも重要なポイントで、適切な役割分担をしたかも評価ポイントです。

 

部下に判断を一任してもよい案件は、重要度が低い案件や部下が出した提案を採用する場合、部下の成長を期待して教育的配慮を行う場合です。なお、部下に判断を一任するといっても、すべて任せきりにしてはいけません。一任するという指示に加えて、適切なタイミングでの報連相を指示しましょう。また、部下の提案を採用する場合は、ある程度の方向性は指示する必要があります。

 

インバスケット演習で高評価の回答を書くコツとは

ここまで読んでいただいた方の中には、ではどうすればインバスケット演習で高評価の回答を書けるのか知りたいと思った方もおられると思います。上記で評価項目を紹介しましたが、要するに問題文で示されている役割をあなたが忠実に演じられたかを細分化したものです。

 

つまり、インバスケット演習で高い評価となる回答は、役割に応じた、適切な行動や言動になっているものになります。

 

では、どのような行動や言動が求められるかについてですが、以下に示したnoteで回答の書き方のコツを13個のポイントとしてまとめています。有料記事となりますが、必ず値段以上の価値を生み出せるものですので、ぜひ読んでみてください。

note.com

まとめ

ここまで、インバスケット演習を攻略するコツを解説していきました。インバスケット演習は、案件の問題文の中身を把握し、優先順位をしっかり付けて、問題解決のプロセスを踏みさえすれば、普段の仕事と同じです。

 

実際の試験を受ける前に問題集などでしっかり対策をして臨むようにしましょう。私が行ったインバスケット試験の勉強方法については、以下で解説していますので、ぜひ参考にしてください。

torotoroupaupa.hatenablog.com