管理職への昇進試験を受けることになり、経験者に「どんな試験があるの」と尋ねたときに人材アセスメント試験(管理職アセスメントとも言われます)があると知って、それはどんな試験なのか分からず、お困りではありませんか?
特に人材アセスメント試験の中にある面接演習(面談演習ともいわれる)は、名前から面接をすることはわかりますが、どのような方式で実施するのかがイメージがつかめない方が多いかと思います。
そのような人のためにこの記事では、面接演習の試験概要や試験対策に関して、解説していきます。さらに、この記事の内容を実感してもらうために面接演習の事例を最後に載せていますので、最後までご覧ください。
管理職アセスメントで行う面接演習とは
面接演習がどのようなものかを知ってもらわなければ、対策も理解してもらえないと思いますので、最初に概要を解説していきます。
面接演習の試験形式
面接演習を端的に述べれば、受験生と試験官の2名で行う面接のロールプレイングです。管理職の昇進試験として実施されていますので、この面接演習で受験生が演じる役割は当然、上司役となります。対して、試験官は部下役です。
面接演習は、準備パートと面接パートの二つのパートに分かれています。まず、準備パートでは、面接演習に関する概要が記された演習課題シートが渡され、受験生は演習課題シートを読み込んで書かれている内容を理解しながら、次に行う面接パートでどのように進めるのか考えます。準備パートの所要時間は、試験を運営する会社によって変わりますが、10分程度です。
準備パートが終わると、すぐに面接会場に案内され、試験官と面接を行うことになります。面接にかかる時間は、たいていの場合、10分間です。なお、面接演習中は、ビデオ撮影されており、試験によっては、試験後、ビデオを見ながら、フィードバックの場が設けられます。
演習課題シートの中身
準備パートでもらう演習課題シートには、ロールプレイングをするにあたり必要な情報と面接演習で達成すべき課題が書かれています。
演習課題シートに書かれている必要な情報は、自身が演じる役割がどのようなものか(経歴や役職など)、部下がどのような人物か(経歴、勤務状況、家族構成など)、周囲の評判などといった面接演習でロールプレイングするために必要となるものです。課題によっては、自社が置かれている状況やライバルメーカーや取引先の情報が入っていることもあります。なお、気をつけなければならないのは、すべての情報が有効なものとは限りません。また、あえて部下と上司の対立を生み出すために仕組まれた地雷のような情報も含まれています。
面接演習の課題とは
面接演習で設定される課題は、基本的に面接を通じて部下役から何かしらの了承をもらうというものです。受験生は、この指示を達成するように面接演習に取り組まなければなりません。
当然、面接演習で与えられる課題は試験ごとで変わってきますが、基本的に面接を行うと、上司と部下の間で対立が生まれるように設定されます。どのように対立することになるのかは、演習課題シートに書かれている情報を読めば、想定できることが多いです。
面接演習の評価基準
当然ながら、面接演習での評価項目は人材アセスメントで設けられたものと同じです。人材アセスメントの評価項目は、所属する会社がどのような人物像の管理職が求めているのかを運営会社がヒヤリングし、その人物像にあった人が高い評価が得られるように設定されています。
そして、評価項目は基本的に次の4つに分類されます。
- 個人特性(ストレス耐性、積極性の有無、意志の強さなど)
- 意思決定能力(情報収集能力、分析力、判断力など)
- 対人関係能力(コミュニケーション能力)
- 業務遂行能力(計画性やマネジメント力など)
ちなみにこれらの評価項目は、どのようなものなのかを試験前に説明してもらえます。そして、昇進試験のたびに評価内容を変更すると、企業が求める人物像が揺らいでいるということになるためにそこまで頻繁に変更することはありません。つまり、もし管理職の昇進試験でライバルよりも先んじたいというのであれば、これまでに管理職の昇進試験を受けた経験のある同僚にどのような評価項目だったかをヒヤリングしておけば、対策が立てやすいでしょう。
なお、評価基準は、評価項目に基づいてどのような行動や言動が評価されるのかを試験官があらかじめ用意しており、面接演習中にどれだけ受験生が示したかによって点数付けされます。
面接演習はインバスケット中に実施されるケースも
人材アセスメントを実施している会社や形態によって変わりますが、多くの場合、インバスケットの試験中に面接演習が設定されています。
受験生によっては、面接演習に向けて気持ちを切り替えできずに臨んでしまうこともありますし、面接演習のできが悪かった場合、インバスケット試験に集中できないケースもあります。ここで言えることは、合間に面接演習があることを認識し、準備しておきましょう。
なお、私の経験から一点、注意して欲しいことがあります。私が管理職の昇進試験を受験したときもインバスケット試験中に面接演習が設定されていました。面接演習は時間割が決められていて自分が受ける時間になったら会場に向かうという形でしたが、なんと、自分の番がきても呼び出ししてくれません。インバスケット試験中も自分で面接演習の時間になったことを把握しておかなければならないので、面接演習までは時間が気になってインバスケット試験に集中しにくい状態でした。
試験官の役割
管理職の昇進試験で行う面接演習を対策する上で、話し相手となる試験官(アセッサー)がどのような存在なのかを知っておく必要があります。試験官は面接演習では部下として参加することになりますが、部下役としてどのような役割を演じているのでしょうか。答えは、上司役となる受験生ができるだけ嫌がる部下となるように部下役を演じています。
では、なぜそのような嫌な部下を演じているのかといえば、人材アセスメント試験に臨む受験生はいい評価を得るために仮面をつけて臨んでいるからです。つまり、このままでは評価する相手がどのような人物なのかを把握できないため、揺さぶりをかけて暴き出そうとしています。
この事実を念頭に置いて臨むことができれば、面接演習の攻略のきっかけを見つけやすくなるでしょう。
試験本番の行動事例
当然、管理職のアセスメント試験で行われる面接演習の概要を理解しても高評価につながりません。しかし、これから管理職になろうとしている皆様方は今まで部下との面接を受けたことがないため、どのような行動を行えばいいのかがわからないと思います。
そこでここでは、面接演習を次の4つのパートに分けて、そのパートごとでどのような行動をとれば高評価につながるのかを説明していきます。
- 開始前
- 序盤(面接開始~1分程度)
- 中盤(1分~9分)
- 終盤(9分~10分)
※面接時間が10分間と想定。
【開始前】面接演習の準備
まず、いわゆる準備パートでどのような取り組みをすべきかについて解説します。準備パートで行うべきことは、次の二つです。
- 演習課題シートの内容を把握する
- 面接演習のやり取りを想定する
最初にざっと演習課題シートを確認し、書かれている情報の把握と分析を行います。その分析をもとに面接演習で何をするかを考えていきましょう。
【序盤】相手と打ち解けて面談の目的を伝える
面接演習だけでなく実際の話し合いでもそうですが、いかに面談相手と早く打ち解けるかがカギになります。そのために最初にアイスブレイクを行いましょう。アイスブレイクは面談相手の現況を尋ねたり、労をねぎらったりなどするとよいです。
また、序盤になぜ面談をすることになったのかを説明し、なぜ面談に呼ばれたのかを理解してもらい、その後の話し合いを円滑にするために必要となります。
【中盤】情報収集しつつ、解決方法を話し合う
相手と多少、打ち解けて、面談の目的を伝えたら、本論に入ります。ここで行うことは次の二つです。
- 相手から情報を収集する
- 解決方法を話し合う
相手から情報を引き出すというのは、演習課題シートに書かれていないこと、面談相手側から見た問題の原因を聞き取るために行います。これは、演習課題シートに書かれていることはあくまで会社側から見たものであり、一視点の情報でしかないからです。
聞き取りする際は、傾聴力が必要になります。オーブンクエスチョン形式で質問することや相手の話を聞くときに適度に相づちをすることなどをして、話しやすい環境をと整えてあげましょう。
次に解決先に関しては、ある程度の情報を集めて原因が何かを把握してから話し合っていきます。この際に、相手からの提案を出してもらい、その提案を活かして解決策を考えていくようにすると、協力関係を構築できることとなり、話し合いがスムーズに進むでしょう。
【終盤】クロージング
面接演習では、面談時間が決まっており、時間になりましたら、そこで終了となります。そのため、面接演習中にも時間に気を配り、終了まであと1~2分になりましたら、クロージングに移りましょう。
このとき気を付けるポイントは、たとえ解決策がまだ双方で合意を得ていない状況だとしてもクロージングを始めることです。クロージングでは、以下の3点を盛り込めるとよいでしょう。
- 面接で双方が合意したことの確認
- 話し合った課題に関する今後の計画や役割分担の確認
- 残課題に対するフォローアップ
面接演習のやり取りの事例
面接演習でどのようにやり取りをしていけばいいのかについて、具体的に知ることができれば、本番で心強いですよね。そんな方にためにnoteでやり取り事例をまとめています。有料ですが、役に立つ内容ですので、ぜひ購入を検討してみてください。
面接演習の攻略のコツ
面接演習を進めていく中でどのようなやり取りをすればいいかを解説しました。次にさらに面接演習の攻略を盤石にしてもらうために、ここでは面接演習で徹底すべき行動を攻略のコツとして、4つ、紹介します。
なお、管理職になった後、部下ができたときに以下で書いたことはとても有意義なものです。人材アセスメント試験の合格した後でも意識しておくとよい上司になれますよ。
共感的に話を聞く
最初に挙げる攻略のコツは、とにかく相手の話に共感して聞くことです。相手の話を自分のことように聞くことが面接演習の攻略の最も重要なキーとなります。(実は普段の打ち合わせや日常の会話でも同じです!)ここができなければ残り二つを実行することはできません。
相手から共感的に話を聞くためには、相手に気持ちよく話してもらうことです。相手に話してもらうためには次の二つを意識しましょう。
- オープンクエスチョン形式で質問する
- 傾聴を徹底する
YES・NOで答えられない形式であるオープンクエスチョンで質問したほうが相手は話しやすいです。疑問に思ったことや気になる点をどんどん聞いていきましょう。また、その際に相づちを打つことや相手の話を聞いている姿勢を見せるといった傾聴を意識しなければなりません。
相手の話す割合が多くなるように配慮
面談で話す割合については、相手が多く話すように意識しましょう。というのも、この面談は情報収集の場となるからです。
詳しく解説しますと、面接演習では上司役として参加することになりますが、さきほど説明したとおり、演習課題シートは会社から与えられた情報なので、面接相手の情報が不足しています。
そのため、この面接演習での上司役は、相手から情報を引き出すことが重要なミッションとなるので、必然的に相手から話を聞く機会が増えます。つまり、もし相手よりも自分の話が多くなっていた場合、情報収集ができていないことになるので、あまりいい評価が得られていないことになりますね。
具体的な話す割合は相手が7で自分が3、最低でも相手が6で自分が4くらいになるように意識しましょう。
無理に説得しない
三つ目に挙げる攻略のコツは、相手を無理に説得しようとしないこと(自分の考えを押し付けないこと)です。なぜ無理に説得したらダメなのかですが、無理に説得することでは相手から合意を得るという面談の目的を達成できないからです。説得するのではなく、相手の言い分や要望を聞き取り、相手が気持ちよく納得できるような合意策を作り上げていくつもりで面接演習に臨みましょう。
以下で理由を説明します。自身の会社での面談などでもありがちですが、一方的に上司の命令だからとか会社の指示だからと無理に説得されることがあるかと思います。このやり方がすべて問題というわけではありませんが、相手のモチベーションの観点からすれば繰り返しこの行為をされるとやりたくもないことを強制されられていることになる場合もあるので、あまり望ましくはありません。
つまり、今回の管理職の昇進試験の面接演習では、相手のモチベーションを保つことを良しとしているため、面談相手が納得した解決策を理想としています。そのため、相手を論破しようと無理に説得しても、試験官が反発するだけなので、良い結果につながりません。
相手に協力を求める
最後にお伝えする攻略のコツは、相手に協力を求めましょう。なぜ協力を求める必要があるかですが、人材アセスメント試験で行う面接演習の課題は、実は部下が問題解決のための主導権を持っているからです。
繰り返しになりますが、面接演習の目的は課題に対して部下と話し合って双方が合意する解決策を作ることですが、ほとんどの解決策は部下に何かを認めてもらわなければ成り立ちません。つまり、面談の主役は部下ということです。
主役である部下が動かなければ演習の課題は解決に至らないので、部下に協力してもらう必要があります。上司役であるあなたは、部下を助ける援助役に徹するとよい結果を生みやすいです。ここでの援助は、部下の権限ではやれないことをサポートしてあげるとよいでしょう。
面接演習で行ってはいけないNG行動
面接演習で評価される行動については、理解してもらえたと思いますが、逆に行ってはいけない行動としては、どのようなものがあるのでしょうか。なお、以下でNG行動の事例を3つ、挙げていきますが、これらの行動は面接演習だけでなく、実生活でも避けたほうがよいものです。
相手の自尊心を傷つける
最初にやってはいけない行動は、相手の自尊心を傷つけるような発言をすることです。やってはいけない理由は、先にも述べたとおり、面接演習の課題をクリアする主役は面談相手なので、自尊心を傷つけてしまうと協力してもらえないために課題をクリアできなくなります。
自尊心を傷つける発言は、いわゆるパワハラ発言のことです。パワハラ発言をする機会としては、相手が何かしらの問題行動を起こしており、それを指摘する際にやってしまいがちです。行動の問題点のみを指摘して、相手の人格は否定しないように気を付けましょう。また、問題点を指摘する際は合わせて、相手の頑張りをほめるようにすると、パワハラとは相手は感じにくくなるでしょう。
例を示すと、「あなたほどの人がここまで頑張ってやったのに、どうしてこのような事態になったの?」とか「あなたはいろいろと工夫してお客の掘り起ししているのに、営業成績がなかなか上がらないね。原因は何だと思う?」といった感じです。
面談相手の話を遮る
二つ目のNG行動は、面談相手が話しているときに遮って発言することです。議論がヒートアップしてきたときにやりがちなのですが、面談相手が話し終わっていないのに反論したり自分の意見を言ったりするために面談相手の話を遮ってしまうことがあるかと思います。これはやってはダメです。
面談相手は話し終えていないのに発言を止められると、フラストレーションがたまりますし、なにより自分の話を聞いてもらえていないと感じてしまいます。この状態になると、面談相手は心を開いてくれませんので、協力関係になることはできません。
「なぜ」を繰り返す
NG行動の3つ目は、質問する際の問いかけに「なぜ」を繰り返して使うことです。そうして、ダメなのかというと、繰り返し「なぜ」「なぜ」と問いかけられると、相手は詰問されている印象を持ってしまうためです。
また、演習の課題でどこが問題なのか見当もついていない段階では、なぜ(why)と聞くよりも、「何が原因なの?」とか「いつ、その状態になったの?」とか「どこでまちがえたの?」と「what」、「when」、「where」を使って質問する方が原因を明確化しやすくなります。
面接演習の試験対策
ここまで攻略のコツについて、解説してきましたが、コツを身に付けるために人材アセスメント試験で行う面接演習はどのように対策すればいいのでしょうか。試験対策は以下の3つがおすすめです。
- 本で知識を身に付ける
- 傾聴力を上げる訓練をする
- 面接演習を実践する
それでは、これらの試験対策について、それぞれ詳しく解説していきましょう
本で知識を付ける
最初に紹介する試験対策は、本で知識を身に付けることです。これは、管理職のアセスメントで実施する面接演習自体が今まで勉強してきたものと異なるものなので、その知識を身に付けておかなければ、対策できないためです。
では、どのような内容の本を読むべきなのでしょうか。私が皆さんに面接演習を攻略するために必ず身に付けてほしいと提案するものは、傾聴です。なので、最初に読んでほしい本は傾聴に関するものです。
傾聴に関する本は、数多く出されていますが、私が数冊読んだ中で分かりやすかったのは元日本テレビでアナウンサーをしていた魚住りえさんが著者の「聞く力の教科書」です。この本は、インタビュー経験が豊富な魚住さんの経験をもとにコツを解説してくれているので、大変分かりやすいです。なお、傾聴の本は本当に数多く出ているので、本屋で立ち読みして、気に入ったものを買ってもいいと思います。
次に紹介するのは、人材アセスメント試験のうち、インバスケットと面接演習に関して、説明している「インバスケット演習と面接演習の実践」です。人材アセスメント試験の面接演習に関して書かれた本はあまりないので、この本はとても貴重ではないでしょうか。また、面接演習の事例もあるので、試験前にどのような形式なのか実感できるのもよい点です。さらに面接演習だけでなく、インバスケット試験の対策に関しても、勉強できる点が少しお得です。
傾聴力を上げる訓練をする
ここまでの話で何度も出てきましたし、本での知識でも述べましたが、面接演習の肝は傾聴です。傾聴が自然にできるようになれば、面接演習はそこまで苦ではなくなります。
では、どうすれば傾聴力をあげることができるのでしょうか。正直、すぐに上げる方法はありません。さきほど、提示した本に記載してあることやここまで私が説明してきた内容に従い、普段の生活で実践していくしかありません。
まずは以下の5点を意識して普段の生活を送るようにしましょう。
- 会話するときは相手の目を見る
- 相手が話しているときに相づちを打つ
- 相手の話をオウム返しする
- 相手の話を一度、肯定して受け取る
- 相手が話し終えるまで待つ(話を遮らない)
このうち、4つ目に示した「相手の話を一度、肯定して受け取る」については、少し補足しておきます。これは、相手の言うことを無条件に肯定しなさいと言っているわけではありません。当然、相手の意見と自身の意見が異なるケースがあると思いますが、その際、いきなり「それはちがう」と否定するのではなく、「そういう考えもあるね。だけど、私はこう考える。」と一度、相手の意見を肯定して受け取ってから自分の否定の意見を出しなさいという意味です。
面接演習を実践する
3つ目は、面接演習を実践することです。面接演習を実践する方法としては、次の二つが挙げられます。
- 知り合いに頼んで、練習する
- 外部の教育機関を使う
私のおすすめは、1回は外部の教育機関を使い、そこで学んだことを活かして、知り合いと練習することです。外部の教育機関は、人材アセスメントの対策講座を行っているところがたくさんあるので、評判を聞いたうえで受講するとよいでしょう。
なお、参考までに私が受講したのは以下です。
なお、知り合いに頼む際に面談の課題をどうするかを悩むと思いますが、課題については、そこまで手の込んだものでなくても大丈夫です。管理職に昇進しようとしていることから、社会人人生で様々な問題に遭遇しているはずなので、その中から面白そうなものを選んで課題とするとよいでしょう。
人材アセスメント試験で行う面接演習の課題事例
ここまで、長々と人材アセスメント試験で実施する面接演習に関して、解説してきました。では、面接演習ではどのような事例を課題として、設定されるのか気になりますよね。
面接演習で与えられる課題を大きく分けると、次の2つのパターンになりまう。
- 会社の要望を受け入れてもらう
- 部下が起こした問題を解決する
以下でそれぞれについて、解説していきます
会社の要望を受け入れてもらう事例
会社の要望を部下に受け入れてもらう事例としては、
- 部署異動や転勤を了承してもらう
- 顧客から受けたクレームの処理をお願いする
- 新しい仕事を任せる(新人の教育をお願いするなど)
などが挙げられます。これらは、部下にとって環境が変わることから難色を示しがちなので、部下が感じる問題点を面接中に読み取り、解消していくかがキーポイントとなります。
例題を上げると以下のようなものです。
【例題1】異動を納得してもらう
あなたは新規着任した課長で、面接相手は同じ事業部に長く勤務しているA係長。A係長は10年間、今の部署で製品開発を担当しており、最近、自身が責任者として開発した新商品の製造がついに開始されたところである。Aさんは自身が手掛けた新商品にとても愛着を持っており、開発責任者として仕事に打ち込んでいる。
今回、B部長よりA係長を研究所に異動させたいと話があった。この人事異動に関しては、A係長が新規製品を一から開発した実績を部長が評価しているためであり、研究所で今、検討を始めている新規事業にその経験をぜひ活かしてほしいと考えたためとのこと。
あなたは課長として、この面接でA係長から異動を了承してもらってほしい。
部下が起こした問題を解決する事例
部下に何かをお願いする事例としては、
- パワハラやセクハラをやめてもらう
- 遅刻やサボリなどの勤務態度を改めてもらう
- 振るわない営業成績を改善する
などが挙げられます。こちらのパターンは、そもそも演習課題シートに書かれた問題に関する情報が不完全なことが多く、部下から補足情報を引き出せるかがキーポイントです。引き出した補足情報をもとに真の問題点を見つけ出し、部下とともに解決策を練っていくようにしましょう。
例題を上げると以下のようなものです。
【例題2】パワハラをやめさせる
中堅社員Cは相手に対して遠慮なくものごとを言ってしまう性格。今年から教育係となり、新人のDさんを指導することになった。しかし、新人のDさんは、1週間前に体調を崩して長期休暇することに。この問題に関して人事担当がが周囲にヒヤリングしたところ、1週間前にCさんがDさんに厳しく指導した結果、Dさんが泣いていたとの情報が出てきた。
あなたは、部長の指示によりCさんと面談してDさんに対するパワハラをやめさせるように指導してほしいといわれているため、Cさんと面接を行うことになった。
まとめ
いかがでしたか。ここまで、人材アセスメント試験で実施する面接演習に関して、以下を解説してきました。
- 面接演習の試験概要の解説
- 面接演習でとるべき行動と行ってはいけない行動の解説
- 面接演習の事例紹介と例題を解く際に見るべきポイントの解説
- 面接演習の試験対策の紹介
- 相手のタイプ別の攻略のコツの紹介
この記事で述べたことは、実生活でも活用できることが多いので、しっかり反復練習して身に付けておくとよいでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました