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【昇進試験】インバスケット演習における優先順位の付け方とは?付け方や設定するコツを解説

昇進試験 インバスケット

インバスケット演習で与えられた問題に回答していくうえで必須となるテクニックとして、どの試験対策本でも試験対策セミナーでも優先順位付けが挙げられています。

 

この優先順位付けが大事なことはわかっても、どのように実践すればいいのかがわからない方も多いのではないでしょうか。そんな方のために、この記事にて優先順位付けを行うやり方や優先順位付けする際のコツを解説していきます。

インバスケット演習で優先順位はなぜ付ける必要があるか

最初に知っていただきたいことは、インバスケット演習でなぜ優先順位を付ける必要があるのかです。インバスケット演習で優先順位付けが推奨される理由として、次の二つの理由があります。

  • 組織を効率的に運営する能力があることを示す
  • 回答に使う時間を最適化する

それぞれについて、詳しく説明しましょう。

 

組織を効率的に運営する能力があることを示す

昇進試験を受ける皆さま方は、業務を開始する際にまずは今、抱えている仕事を整理し、それぞれの仕事の内容を吟味してどの仕事を優先するか、また仕事の要否を検討されているはずです。これまでは自身の業務のみについて優先順位付けしていましたが、管理職に昇進すれば、自身が受け持つ責任範囲が拡大します。つまり。個人に対して行っていたように組織に対する優先順位付けをして効率的に運営しなければなりません。

 

インバスケット試験は管理職の昇進試験として実施されるケースが多いことから考えていただければわかるかと思いますが、管理職としての組織を問題なく運営できる能力を持っているかを見極めることができます。そして、組織の運営できる能力を見極めるポイントの一つにどの案件から手を付けるか、業務の取捨選択をどのようにするかの優先順位付けが挙げられ、重要な評価ポイントです。

 

回答する順番を決める

優先順位付けは、回答する順番を決めるためにも必要です。具体的には案件の優先順位付けを行うことで優先順位が高い重要な案件、配点が高い案件から回答することができます。つまり、時間がたっぷりあるときに集中して配点が高い案件にじっくり取り組めるので、取りこぼしにくくなります。

 

インバスケット演習での優先順位の付け方

では、インバスケット演習ではどのように優先順位をつけていけばよいのでしょうか。ここでは、優先順位の付ける3ステップを解説していきます。

 

【ステップ1】重要度と緊急度を評価する

優先順位付けで最初にやることは、案件ごとに重要度と緊急度を定めることです。

 

重要度は、その案件が持つリスクや影響がどのくらいかが基準となります。例えば、得意先に納品する予定の製品に不良品が見つかって納期まで間に合わない案件や取引先が倒産する可能性が高いといった情報は重要度が高いと判断されます。一方で、部下からのグチや定期的に実施される会議への出席依頼といった案件は、重要度は高くありません。

 

緊急度は、締め切りがいつなのかで定めます。つまり、締め切りが早い案件であるほど、緊急度が高いと判断します。

 

【ステップ2】マトリックスに書き込む

重要度と緊急度を定めたら、重要度を縦軸に、緊急度を横軸にした以下のマトリックスの適した位置に問題番号を書き込みましょう。

インバスケット 優先順位付け

ちなみに上で示したマトリックスは「時間管理のマトリックス」と呼ばれ、2013年ごろに漫画形式にしてベストセラーになった「7つの習慣」の著者であるスティーブン・R・コヴィー博士が提唱した有名な図です。(なお、ビジネス書自体は、1990年代半ばには出版されています。)

 

【ステップ3】マトリックスを利用して優先順位を割り振る

ステップ2までをすべての案件を終えたら、時間管理マトリックスを参考に優先順位を割り振っていきましょう。図の最も左上にある案件が優先順位1位で、最も右下にある案件が優先順位は最下位となります。

 

優先順位の付け方のコツ

では、優先順位の付け方の流れは説明しましたが、付ける際にいくつかコツがありますので、ここで紹介いたします。

 

根本的な問題がないか探す

優先順位をつける際に最初にやるべきことは、案件を読み込む際に表面的な問題だけを見ると重要度が高くないと評価してしまうことがありますが、その案件に潜む根本的な課題を発見すると、重要度が高くなります

 

例を示すと、自分の部下が営業車で事故を起こしてした事例があるとしましょう。この案件の回答事例として、部下へのけがの有無や報告書の提出を求めることで指示としては正解です。

 

しかし、なぜ事故を起こしたのかを深堀することで、部下が長時間残業していて疲労困憊だったとか、製造ラインのトラブルがあり、慌てて営業所員が納品のために車で運ぶことになったとか事故を起こす原因が他にあり、それが根本的な課題となる実はとても重要な案件だったということもありえます。このような場合は、たいてい他の案件にその影が出ているので、関連性を探し出して重要度を決めるように意識しましょう。

 

重要度を優先

重要度の高いものと緊急度の高いものでは、「重要度」を優先させましょう

 

なぜ重要度を優先させるのか

まず、重要度は一度、評価してしまえば変わることはほとんどありません。一方で、緊急度は締め切りや納期をもとに決めていますので、期限が近くなれば緊急度も上がりますし、上司からの指示やお客様からのクレームが追加で入ったなど何か一つの条件や出来事が加わると締め切りが早くなることも起こりやすいです。その結果、いずれ重要度が高くて緊急度が高い領域に移動する可能性が出てくることあるので、重要度が高いものを後回しせずに優先しましょう。

 

また、これも先に紹介した「7つの習慣」の著者であるスティーブン・R・コヴィー博士も「重要度が高くて緊急度が低い案件は、どうしても緊急度が高い案件よりも後回しにされがちだが、いずれ問題になることがわかっているのだから、長期的に考えれば先に処理しておけば結果的に問題が減る。」と述べています。つまり、組織の効率的に運営することを求められている管理職は、目先にとらわれずに重要度が高くて緊急度が低い案件こそ、早めに対処すべきであり、インバスケット試験でもその点を評価しています。

 

時間管理マトリックスで示すとすると

以下の図のとおり、重要度と緊急度のマトリックスでは、4つの区分に分けられます。

インバスケット 時間管理マトリックス

第1象限:重要度高い×緊急度高い
第2象限:重要度高い×緊急度低い
第3象限:重要度低い×緊急度高い
第4象限:重要度低い×緊急度低い

 

この4つの区分をもとにインバスケットで処理する順番を示すと、第1象限、第2象限、第3象限、第4象限の順となります。

 

マトリックスのどの象限に入るかを意識する

優先順位を決める際に最も手軽な方法は、マトリックスの中でどのような案件がどの象限に入るのかを覚えておくことです。こうすることで、案件の概要を掴むだけでどの象限に当てはまればいいのか、即座に判断できます。

 

代表的なものを以下にまとめましたので、ぜひ参考にしてください。また、自身が問題集を解いていくうえでテキストに載っていた案件がどの象限に入るかを確認し、このマトリックスに付け加えていくと試験対策としてより万全になります。

インバスケット 優先順位

 

優先順位の大枠を外さない(だいたいでOK)

ここまで優先順位付けの付け方やコツを解説してきましたが、実は1位から最下位までの優先順位をきちんと付ける必要はありません。というのも、何を重視するかが人によって多少異なるために、優先順位が他人と全く同じになりえません。つまり、絶対の正解は用意されていないので、細かいところまで合わせても意味はありません。

 

なので、みなさんが意識するべきことは、インバスケット本番では、重要度と緊急度の軸で区切られた4つの区分のどこに入るかを間違えないことです。そのため、優先順位付けでいつも迷って時間を余分に使ってしまう人は、細かく優先順位を付けることはせずに、4つの区分に割り振るだけにするとよいでしょう。

 

まとめ

この記事では、インバスケット演習で必要となる優先順位の付け方やそのコツについて、解説しました。

 

管理職として優先順位付けを的確に行うことは必須の能力であり、インバスケット試験において優先順位付け高得点を狙うために必要なテクニックですので、管理職を目指す皆さま方はしっかり身に付けましょう。