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【昇進試験】人材アセスメントで行う面接演習の試験対策とは?おすすめの本や問題事例を紹介

人材アセスメント試験 面接演習

管理職の昇進試験で行う人材アセスメントにおいて、今までに受けた経験がない面接演習をどう対策するか、悩んでいる方が多いのではないでしょうか。私も昇進試験を受けることになったときにその悩みを持ちました。今回は、そのような悩みを持つ方のために試験対策をどう行えばいいのかを解説していこうと思います。

 

最初に知っていただきたいのは、インバスケット試験やグループ討議などとは違い、知識さえ身に付けておけば、面接演習の試験対策は普段の生活のなかでトレーニングできることです。もっといえば、面談演習は、コミュニケーションで使うテクニックを身に付けることができれば、攻略しやすくなります。

 

以下で、そのテクニックをどのように見つけていけばいいのかを解説していきますので、最後までご覧ください。

【昇進試験】人材アセスメントで行う面接演習とは

管理職の昇進試験の中に組み込まれている面接演習とはどのような試験なのかですが、その名前のとおり、あなたが上司役となって部下と1:1で面談する演習です。面談の相手役は試験官が務めます。

 

そして、上司や会社から何かしら部下役に関係する課題を与えられており、その課題を部下との話を通じて、解決していきます。面談演習中にあなたが発した言動や態度、しぐさなどから人材アセスメント試験で定められた項目や採点基準に従い、評価される試験です。

 

なお、もっと詳しくどのような試験なのか知りたい方は、以下の記事で解説していますので、そちらを読んでください。

torotoroupaupa.hatenablog.com

面接演習の試験対策は次の3つ

人材アセスメント試験で行う面接演習は、次の試験対策がおすすめです。

  • 傾聴に関する知識を学ぶ
  • 傾聴を日常生活で用いる
  • 面談演習を実践する

ここで挙げた試験対策をこなしていけば、面接演習の本番は余裕を持って臨むことができます。また、ここで得た知識や経験は管理職としてだけでなく、ビジネスはもちろん、日常生活でも役立つので、この機会にしっかり身に付けましょう。

 

傾聴に関する知識を学ぶ

まず、最初に面談演習の試験対策は、傾聴がどのようなテクニックなのか、学ぶことです。この傾聴を上手にできるようになれば、面談演習の攻略は8割がたできたものなので、しっかり学びましょう。

 

傾聴に関しては、テクニックを解説したものや実際にやり取りを記載した本が数多く出ていますが、その中で人材アセスメントの面談演習の試験対策に使うことにお勧めのものを5冊、選びましたので、ぜひ参考にしてください。

 

たった1分で会話が弾み、印象まで良くなる聞く力の教科書

最初に紹介するのは、このサイトで何度も紹介していますが、日本テレビの元アナウンサーである魚住りえさんが書いた本です。この本は、アナウンサー時代に数多くの著名人をインタビューして身に付けた経験をもとに傾聴をどうすればいいのかをわかりやすく書かれています。
 
私は何冊か、傾聴に関する本を読みましたが、この本が一番、読みやすい本でした。管理職の昇進試験という枠組みだけでなく、日常生活にも役立つので、だまされたと思って読んで見てください。

 

優れたリーダーは、なぜ「傾聴力」を磨くのか?

2冊目に紹介するのは「優れたリーダーは、なぜ「傾聴力」を磨くのか?」です。先ほど紹介した本は、特に場面が指定されておらず、どこでも使える傾聴に関するテクニックを紹介したものでしたが、この本は、上司と部下の関係に絞って傾聴のやり方を解説しています。

そのため、今回の面接演習でも部下との関係でコミュニケーションを取っていく試験であることから、随所で使える技術が盛り込まれていますので、試験対策にはぴったりのおすすめの1冊です。

 

国際エグゼクティブコーチが教える 人、組織が劇的に変わる ポジティブフィードバック

3冊目におすすめする本は、本の題名にポジティブの記載にふさわしく、部下を褒めていかにやる気にさせるかのテクニックが書かれています。そのため、人材アセスメントの試験だけでなく、管理職に昇進して部下を持った際に部下と良好な関係を築くために役立てることができるでしょう。これから管理職になろうとしている皆さんには是非読んで欲しい本です。

なお、この本の中に7つのテクニックが紹介されているのですが、このテクニックが面接演習に使えるものなので、試験対策としても使えます。

 

部下を育てるPDCA 面談

4冊目に「部下を育てるPDCA 面談」を紹介します。こちらは、上司と部下の面談のやり方を1冊にまとめてあります。この本で読んでいただきたいのは、面談の流れに関して書かれた部分でして、まさに面接演習の試験対策として皆さんに学んで欲しいポイントです。
 
面談の序盤に何をすべきか、中盤にはどのようなやりとりがいいのか、クロージングには何をすべきかがわかりやすくまとまっていますので、参考になると思います。

 

インバスケット演習と面接演習の実践 

最後に紹介するのは、昇進試験対策として書かれた「インバスケット演習と面接演習の実践 」です。この本は、インバスケットの回答事例と面談演習のやりとりの事例を載せてある本なのですが、面談演習の事例は悪い事例が載せてあり、何が良くないかを詳しく解説してくれています。
 
面談演習のやりとりの事例が詳しく書かれている本は、ほとんどないため、面談演習がどのようなものかを知りたい方は読んでみてはいかがでしょうか。
 

傾聴を日常生活で使う

本を読んで傾聴の知識を身に付けたら、せっかくなので、日常生活で使ってみましょう。職場の同僚でもいいですし、家族や友人でも構いません。その際に傾聴することを意識して会話したときとそうでないときの違いを実感するようにしてください。違いを感じることができなければ、傾聴のテクニックがまだ芽吹いていませんので、改善してみましょう。

 

また、気を許せる人がいる方は、傾聴を身に付けるために試行錯誤していることを伝えておいてください。相手が感じる違いや改善点を言ってもらえるようになるので、マスターするまでの時間を短くできるでしょう。

 

重要なことなので繰り返しますが、傾聴のテクニックをうまく使うことで、対人関係が円滑に進みやすくなります。ぜひこの機会に身に付けることをおすすめいたします。

 

面談演習を実践する

最後の試験対策としては、面談演習を実際にやってみることです。一番、簡単な方法は外部の昇進試験対策を専門とする会社が行っている研修を受講することなのですが、ここでは頼らないでも面接演習の実践ができる方法を解説します。

 

面談演習の実践方法は、以下の手順で行っていきます。

  1. 相手役を手配
  2. 演習課題を準備
  3. 面談演習の会場や必要な物を準備
  4. 面接演習の本番
  5. 面談後

それぞれについて、具体的に進めていきましょう。

 

相手役を手配

最初にやることは、面談相手を確保することです。練習時の面談相手は、上司や同僚、友人、家族のだれでも構いませんが、相手役はなるべく率直に意見を述べてくれて、人とコミュニケーションすることが得意な人の方が向いています。

 

私が相手役としておすすめのは、上司あるいは一緒に試験を受ける予定の同僚あるいは今までに昇進試験を受験した経験のある人です。この方々は、人材アセスメント試験がどのようなものかを知っているので、試験の概要を説明する手間が省けますし、アドバイスや試験に関する情報をもらうこともできます。

 

また、面接演習を有効なものとするために面談相手となる人に次の二つをお願いしておきましょう。

  • 演習課題に沿った部下像を作ってもらう
  • 練習時の面談では、簡単には説得に応じないように依頼

一つ目は、面接演習はロールプレイングであり、相手がどのような人物か知らずに臨むことになります。つまり、普段の人物像とは異なる部下像を演じてもらわなければ練習の効果が半減しますので、必要なルールです。

 

加えて、部下と上司の関係について、相手役が演じる部下は最近、着任してきた上司とほとんど面識がない設定であることは伝えておきましょう。つまり、部下はほぼ初対面の上司と面談することになり、上司役であるあなたに対して警戒している状態になっているはずです。相手役の方にはその緊張感をもって望んでほしいと伝えておいてください。(※設定する課題によってはそうでないものもありますが、初対面の設定でやる方が実践の効果が上がるので、ここではそのように記載しています。)

 

さらに、相手役の方に演習課題を説明した紙には書いていない情報を1つ以上、作ってもらうにお願いしてください。なお、あまりに演習課題の内容とかけ離れたものにされると、面接演習の難易度が上がりすぎるので、ほどほどのもので設定するようにくぎを刺しておきましょう。

 

二つ目の補足ですが、相手役の方に面談として設定した時間のうち、最低でも7~8割くらい経過するまでは説得に応じないように依頼してください。(面談時間が10分だとすると、7~8分程度)これは、面談を早く終わらせてしまうと、練習する意味がなくなるからです。ちなみに昇進試験のときも試験官は短時間で終わせないようにふるまい、制限時間のぎりぎりまで面接演習が続くようにコントロールしてきます。

 

演習課題を準備

次に面接演習で使う演習課題を準備しましょう。相手役の人に理解がある場合、演習課題は相手役の人に作成してもらうのがよいです。特に過去に昇進試験を経験している方の場合、どんな感じにすればいいのか理解があるので、お願いしてみましょう。

 

作ってもらう内容やテーマは、職場でよくある問題でかまいません。今起こっている問題でもいいですし、過去に合った問題でもいいです。なお、面接時間は10分程度なので、あまり重たい問題は避けるようにお願いしておかないと、せっかくの時間や手間が無駄になる可能性があります。また、上司と部下の関係は、初対面である設定にしておきましょう。

 

演習課題はなかなか用意することは難しいと思いますので、そんな方のために私が作成した面接演習課題の本番に即した問題事例を有料ですが、以下で用意していますので、ご活用ください。

note.com

面談演習の会場や必要な物を準備

面接演習に必要なものは次の3つがあれば十分です。

  • 演習課題が記載された紙(2枚、あなたと相手役の分)
  • ストップウォッチ
  • ICレコーダー

演習課題が記載された紙は、相手役が課題を考えてくれている場合は印刷までお願いしておきましょう。自身で用意する場合は、2部、コピーしてください。

 

ICレコーダーは、面接を練習した時のやり取りを聞いて、反省点がないのか振り返りを行うために使います。もしビデオカメラを持っていれば、しぐさや態度、目線も確認できておすすめです。なお、本番ではビデオカメラで面接の様子を撮影されていますので、その予行演習を兼ねることもできます。

 

演習課題のときの机の配置は、本番と同じように二人が向かい合って座る対面方式で行います。参考までに演習時がどのように行われているかは以下を参照してください。(ビデオカメラは使う場合、使わない場合は無視してください。)

面接演習 様子

面接演習本番

そして、いよいよ演習本番です。演習課題を相手役の人が考えていたケースかあなた自身で用意したケースで本番のやり方は変わってきます。

 

【相手役が演習課題を考えていたケース】

この場合は、本番と同じく演習課題が書かれた紙を読み込んで、面談の進め方を考える準備時間を設けましょう。準備時間は10分前後で設定しておくとよいです。なお、あなたが所属する会社で行う試験の詳細情報を持っているようでしたら、あなたの会社で行う面接演習のときと同じ時間に設定することをおすすめします。

 

準備時間が終わりましたら、すぐに面接開始です。面接の制限時間は必ず定めてください。参考までに制限時間は10分ケースが多いです。ただし、こちらも準備時間のときに述べたと同じく、あなたの会社で行われている面接演習で決まっている時間を知っているようならば、その時間で設定してください

 

なお、面接が開始する前にICレコーダーの録音あるいはビデオカメラの録画は忘れずにスタートさせておきましょう。また、面談終了を知らせるタイマーの稼働も忘れないでください。

 

【演習課題をあなたが準備した場合】

このケースでは、すでに演習課題の内容をあなたは知っていることになりますので、準備時間を設ける意味がなくなります。そのため、相手役にも先に演習課題を渡して読み込んでもらいます。そして、面接演習をどのように進めるのかを考えておいてもらうように依頼しておきましょう。なお、面談自体を体験することが目的なので、練習時に準備時間を設けなくても支障ありません。

 

面接本番の進め方は先程、説明したものを同じです。

 

面談後は必ずフィードバックをしてもらう

面談後は相手役に必ずフィードバックをしてもらいましょう。その際はICレコーダーで録音しているのであれば、録音したものを一緒に聞きながら行うことをおすすめします。このようにすれば、双方が演習内の会話に関して、何を考えながらしていたのか、相手の言動や態度に何を感じていたのかを振り返りやすいので、充実したフィードバックとなります。

 

また、ICレコーダーで録音したものを自分だけで振り返ってみて反省点がないかを探すことも有効です。第3者に聞いてもらうことができれば、どう感じるか意見を聞いてみるのもよいでしょう。

 

まとめ

ここまで、面接演習の試験対策について、説明してきました。面接演習は1:1の面談をするだけと単純な試験科目なので、対策をやりやすい科目です。一方で、コミュニケーションのテクニックを知らずに臨めば、他の人との差異が明確になってしまう科目でもあります。

 

この記事では、だれでも試験対策を行えるようにまとめましたので、実践してみてください。