サラリーマン研究者による、昇進・昇格試験突破の道

一度、昇進試験で挫折を味わったサラリーマン研究者が身に付けた昇進試験の攻略法を紹介するブログです!

【昇進試験】人材アセスメントのグループディスカッションで想定されるトラブルとは?対策とともに解説

グループ討議

管理職の昇進・昇格試験で実施される一次試験として人材アセスメントがあります。この人材アセスメント試験の科目として、グループディスカッション(グループ討議)が含まれていることが多いです。また、就活でもよく試験科目になっていますよね

 

このグループディスカッションは、同じ試験を受ける競争相手が参加していること、当日になるまで参加するメンバーがいないことから、どのように対策をすればいいか分からない方が多いのではないでしょうか。

 

特に当日、参加するメンバーが「外れ」だった場合、グループ討議中にトラブルになる可能性があります。トラブルになったときにすぐに対応できなければ高評価が望めないために事前にどのようなトラブルがあるかを理解し、対策をしておくべきです。

 

この記事では、グループディスカッションで頻出するトラブルとその対策方法について、解説していきますので、最後までご覧ください。

もし昇格・昇進試験で行われるグループディスカッションがどのようなものかを知りたい方は、以下の記事を先に読むことをおすすめいたします。

torotoroupaupa.hatenablog.com

グループディスカッションで想定されるトラブル

グループディスカッションで想定されるトラブルは、主に次の3つです。

・【トラブル事例1】クラッシャーがいる

・【トラブル事例2】意見がまとまらない

・【トラブル事例3】発言したくてもできない

このうち、一つ目で挙げたクラッシャーがないかが気になりますよね。クラッシャーは直訳すると壊し屋のことで、グループディスカッションにおいて「建設的な議論する場」を壊す人のことです。グループディスカッションでは、参加するメンバー全員で協力し合って課題に取り組む必要がありますが、クラッシャーがいると一致団結ができずに協力関係が築けなくなります。

 

それでは、上で挙げたトラブルについて、一つずつ見ていきましょう。

 

【トラブル事例1】クラッシャーがいる

先で述べたとおり、クラッシャーがいると建設的な議論の妨げとなるので、クラッシャーだけでなく、そのグループ討議に参加しているメンバー全員が不利になってしまいます。その不利な状態に陥ることを避けるためにも、事前にそういう人がいる可能性を理解し、対策を考えておくべきです。また、自分自身がこのようなクラッシャーにならないことも、昇格・昇進試験あるいは就活にて高評価を勝ち取るためにも必要になるでしょう。

 

では、クラッシャーはどのような人なのでしょうか。クラッシャーとして、以下に挙げた4つが挙げられます。

  1.  他人の意見に批判ばかりする
  2.  自分の意見ばかり主張する
  3.  仕切りたがるくせにまとめる能力がない
  4.  全く発言をしない

以下でクラッシャーがどのような人なのかを一つずつ、解説していきます。

 

「他人の意見に批判ばかりする」クラッシャーへの対策方法

グループ討議の目的は、与えられた課題に関して建設的な議論を行ってチームで回答を導き出すことです。そのためには他人の意見に対して批判することも必要になるのですが、自身で意見を出さずにほかの参加者を蹴落とそうとして他人の意見に対して批判ばかりする人もいます。

 

このクラッシャーがやっかいな点は、批判が的外れなものではなく正しく聞こえるものが多いことです。その結果、どんな意見を出したとしても批判しかされない状況に嫌気がさして、他の参加者は意見を言いづらい雰囲気になってしまします。

 

では、このような人がいる場合の対策として、次の3つがおすすめです。

1.批判をされた際に意見がないか尋ねてみる

2.論点を変えてみる

3.批判を禁止する

 

批判をされた際に意見がないか尋ねてみる

一つ目に挙げた対策は、「批判された際に意見がないかを尋ねてみる」です。これは「他人の意見に対しては批判しかしない」人に対する基本対策であり、だれでも実践できます。具体的には、批判に対して「なぜそう思うのか」を尋ねる、あるいは「では、あなたの意見を教えて欲しい」と対案を出すように促すとよいでしょう。

 

なぜこの問いかけが有効なのかというと、実は批判ばかりする人は攻撃するのは得意なのですが、意外に自身が攻撃されることになれておらず、切り返しで意見を求められると返答に窮してしまうことが多いからです。

 

論点を変えてみる

二つ目の「論点を変えてみる」は少々高等なテクニックです。クラッシャーがあまりに批判ばかりするならば、相手が批判している意見を「たしかにそうですね」といったん受け入れた上で、別の論点を提案してみましょう。「論点を変える」を別の言い方に言い換れば、異なる視点に誘導するといってもよいです。

 

この対策のポイントは、いったん、相手の批判を認めることで相手の承認欲求を満たしてあげることです。その後、相手の批判をわきに追いやり、批判と違う論点を提示して、どう思うかを批判してきた人に尋ねてみましょう。

 

具体的に事例で示してみましょう。新規事業案をチームで一つ選び出す課題だったとします。参加者の一人が出したアイディアに対して、クラッシャーが「このアイディアは、お金や時間が多くかかるので無意味だ」と言われたとしましょう。

 

これに対して、まず「たしかにそうですね」と相手の意見をいったん受け止めたうえで、「では、お金や時間をかからないようにするためには、どうすればよいと思いますか」とか「そうですね。このアイディアはほかの案と比べて、売り上げが多く見込めると考えるのですが、どう思いますか。」と別の視点に立った質問をぶつます。こうすることで、相手の批判を波風立てずに議論を先に進めることができます。

 

批判を禁止する

他人の意見に批判ばかりする人に対する三つ目の対策方法は、強硬策になるのですが、グループ討議内で「批判を禁止」することです。ただし、この手法を行う上での注意点として、グループディスカッションをやっている間、ずっと禁止することは討議自体が正常でなくなるために行ってはいけません。討議の一部の時間帯の実にするとよいでしょう。

 

具体的には、アイディア出しのときにこのルールを設けるとよいです。なぜなら、批判コメントが多いと発言しにくくなるためにアイディアが集まりにくくなり、その後の議論に支障が出るからです。

 

一方で、出てきたアイディアを選別していくときは批判的なコメントが大いに役に立ちます。つまり、「批判を禁止」するのは、アイディア出しをしている間のみに限定すると大きな効果を得られるでしょう。

 

また、グループディスカッションの冒頭やアイディア出しを始めたタイミングに批判を禁止するルールを設けることを提案しておけば、無駄な手間を省けます。その際に参加者全体になぜそうするのかを説明し、あらかじめ合意を取っておくと無用なトラブルが避けられるので、おすすめです。

 

「自分の意見ばかり主張する」クラッシャーへの対策方法

就活にしろ、昇格・昇進試験にしろ、グループ討議に参加しているメンバーは全員、高評価を勝ち取って合格したいと考えています。そのため、グループ討議では自分の意見を押し通すことができれば、高評価につながると考えている人はどうしても一定数出てきます。

 

もちろん、このような自己主張は必要なのですが、自己主張ばかり人は試験官から協調性がないとみなされて減点対象です。このような人がいると、他の人の意見を言う時間が無くなったり、討議が円滑に回らなくなってしまいます。

 

この自己主張が強いクラッシャーに対しては、前述した「論点を変える」テクニックが有効です。いったん、その人の意見を「本当にそうですね。」と受け止めたうえで、「その意見を異なる視点で見たらどうなのか」を尋ねてみましょう。それを意見が出なくなるまで繰り返すことで、クラッシャーも黙るしかなくなります。あるいは、「そうですね」と受け止めた後、すかさず別の人に「ほかに意見はないでしょうか」と尋ねてみるのも効果的です。

 

「仕切りたがるくせにまとめる能力がない」クラッシャーへの対策方法

就活で特によく見られるクラッシャーとして、リーダーが一番、評価されると考えて仕切る能力がないのにリーダー役になる人が挙げられます。リーダーが上手に議論を仕切ることができない場合、円滑に進まなくなるためにグダグダになってしまい、最悪、そのグループ全員が不合格になる可能性もありえます。

 

就活ではグループディスカッション前あるいは開始時にリーダー役を決めることが多いく一度決めれば変えられないことから、もしこのようなクラッシャーがリーダー役になってしまった場合、陰ながらフォローしてあげる(リーダー役を代行してあげる)しか対策方法はありません。例えば、議論が迷走しているときは「今、このことを話していると思うのですが、皆さんいかがですか」と尋ねてあげたり、時間管理がまずい場合は「そろそろ、課題のまとめを始めた方がいいのでは」と提案したり、リーダーの役割に積極的に介入していきましょう。

 

なお、管理職の昇格・昇進試験のケースでは、リーダー役が定まっていないので、取り合いになる可能性があります。一方で、役割が固定されていないおかげで、無能なリーダー役に引導を渡しやすいともいえます。引導を渡す際は、その後の議論に支障ができることを避けるために相手のメンツをつぶすないように配慮することは忘れてはいけません。

 

「まったく発言をしない」クラッシャーへの対策方法

最後に上げるのが「まったく発言しない」人で、クラッシャーの中では最も害がないタイプです。一見、無害に見えますが、グループ討議は全員が積極的に参加して意見をまとめていくことが目的なので、議論に参加していない人がいる状態のままだと、チームがまとまっていないとみなされて減点対象です。

 

対策としては、まったく発言しない人は、たんに話し出すきっかけをつかめないだけの場合が多いです。そのため、もしグループ討議中に発言していない人を見つけたら、「〇〇さん、この意見はどう思いますか」といったふうに積極的に意見を促してあげましょう。

 

【トラブル事例2】意見がまとまらない

グループ討議では参加者同士の意見がぶつかり、どうしても意見がまとまらないことが起こることがあります。普段の会議や会話では、互いに譲りあえるのですが、就活や昇進試験のグループ討議では相手が競争相手なので、相手に打ち勝ちたい気持ちが強く出てしまい、譲り合えずにぶつかりやすいです。

 

このようなケースでは、ぶつかることを避けるためにも、議論に入る前に出てきた意見やアイディアを選ぶための評価基準を作ることを提案しましょう。評価は、項目を3個程度を選び、その項目に対して数字や〇×△など、3~5段階で評価するとよいです。こうすることで、なぜその意見に決めたのかの透明性が出てきますし、なによりどうやって判断したかを試験官に対して明確に説明できます。

 

一方で、意見がまとまらないときの解決策で、真っ先に思い浮かぶのは多数決ではないでしょうか。どうでしても時間が足りない場合はしかたありませんが、多数決はグループ討議ではできるだけ行わないほうが望ましいです。理由は、試験官になぜその結果が出たのかの論理がみえないために評価しづらくなるからです。

 

【トラブル事例3】発言したくてもできない

グループディスカッションで遭遇するトラブルとしては、他の参加者が議論しているところにうまく割り込めないケースが挙げられます。発言できない理由は、さまざまな要因があるかと思いますが、グループディスカッションでは何かしら発言をしないと参加していないとみなされてしまい、評価してもらえません

 

発言できない理由としては、大きく分けて次の3つがあると思います。

  • 人見知りあるいは自分の意見に自信がない
  • アイディアが出ない
  • 議論についていけない

上記のような状態になることは、だれでもありえますので、以下の対策を読んで準備しておきましょう。

 

人見知りあるいは自分の意見に自信がない場合の対策

グループディスカッションに慣れていない人の中には、発言することに抵抗を感じる人も多いでしょう。そのような人は、他の人に笑われたらどうしようとか試験官に悪い印象になるかもと不安になって発言できなくなるかもしれません。

 

しかし、よく考えてみてほしいのですが、グループディスカッションに参加するメンバーや試験官は、グループディスカッションが終わった後、あまりかかわりを持たない人になることが多いです。つまり、失敗しても試験中に少し恥ずかしいだけなので、自信がなくても思い切って自分の意見を述べてみましょう。

 

それでも抵抗がある場合は、「それいいね」とか「そのアイディアをもっと詳しく教えてください」というふうに、手始めに他の人の意見に対してリアクションをすることで、気が楽になりますよ。

 

アイディアが出ない場合の対策

グループディスカッションで出された課題によっては、自分が持っている知識が不足してアイディアがまったく思い浮かばないこともありえます。その際は他人に乗っかかるとよいです。つまり、ほかの人が言った意見に対してアイディアを付け足してみたりしてみましょう。

 

また、アイディアを出さなくても議論に貢献はできます。例えば、今まで議論で出てきた意見をまとめてみたり、出てきたアイディアに率直に疑問点をぶつけてみたりすることです。ほかにもアイディア出しの段階でやるのは避けるべきですが、相手の意見に対して、あえて反対意見を述べてみるのもよいです。こうすることで、議論が活性化するので、試験官はしっかり議論に貢献しているとみなしてくれます。

 

議論についていけない場合の対策

グループ討議で他の参加者が話している内容が分からず、何を発言すればいいか分からなくなる場合があります。これを避けるためには、参加する前におおよそのグループ討議の流れを把握しておきましょう。大まかに書くと、たいてい以下の流れです

  1. 自己紹介
  2. 役割分担
  3. 議論の方向性、進め方の確認や参加者間の認識統一
  4. アイディア出し(ブレスト)
  5. アイディアの絞り込み(アイディアの良しあしの評価)
  6. まとめ

この流れを意識して、今どこにいるかを把握するようにしましょう。なお、昇格・昇進試験では、1と2は省かれることが多いです。

 

それでも何を話しているかわからなくなったら、他の人の発言が終わった瞬間に、すっと「すいません」とカットインして、何を話しているかがわかないので教えてほしいとお願いしましょう。なお、このとき、少し高めの声で一気に「すいません」というのがコツです。

 

まとめ

ここまで、就活や昇格・昇進試験でよく実施されるグループディスカッション(グループ討議)で想定されるトラブルと対策について、解説してきました。

 

特にグループディスカッションでは、クラッシャーと呼ばれる人が自分のチームに参加してしまうと、うまく議論できなくなります。しかも、当日まで参加者がわからないことからその場で対策していなければなりませんので、あらかじめどのように対策すればいいか知っておくことが高評価へつながります。

 

この記事を参考にしっかり準備していきましょう。